本日は、書道好きの私が読んだおススメの本をご紹介します。
「世界のビジネスエリートを唸らせる 教養としての書道」は(株)自由国民社から2023年に発売されました。
書家でプレゼンテーションクリエイターの著者が、書道を単なる技術習得ではなく、グローバルな視点から見た日本の文化・教養として捉え直すことをテーマにした一冊です。
この本は、書道に興味がある人はもちろん、日本の文化を深く理解したい人や、グローバルな舞台で活躍するための教養を身につけたい人にもおすすめです。スラスラと読むことができ、特に難しい内容ではなく、中学生でも楽しく読めると思います。
著者:前田 鎌利
価格:1,815円(税込)
出版社:(株)自由国民社
初版:2023年12月
グローバルな教養としての書道
この本の魅力は、著者の前田鎌利さんが、国内外で書道のライブパフォーマンスや個展の開催を精力的に行ったり、大手通信会社に所属し、孫正義氏のプレゼン資料の作成を手掛けたり、そのような経験から日本の伝統文化を現代のビジネスやグローバルな視点と結びつけて解説されていることです。
前田さんは、グローバル化する世界は間違いなく訪れる、コロナ収束後インバウンドが復活すると書いていました。2025年の今まさにそうなりました。訪日外国人とのコミュニケーションが増える中で、自国の文化である書道に関する知識(筆・墨・和紙の素材や歴史など)を習得することで、国際的な人間関係を築くきっかけとなることを示しています。
先日私は、「歌舞伎って何?」と日本人だとわかると外国人に普通に聞かれるということを知りました。
みなさんは答えられますか?
ちょうど、映画「国宝」がヒットしていますが、日本人として歌舞伎のことをきちんと話すのはなかなかできません。
では、本書より、外国人が知りたい書道の質問その1、
『書は何を書いているのですか?』皆さんは何と答えますか?そうです!
「書は文字を書いています」当たりです!答えられますね。
その2、『日本人は皆、筆で文字が書けるのですか?』
「はい、みんな書けますよ」書けますね!
「ニホンジンスゴーイ!ワンダホー!」と驚かれて、こんな反応が返ってきたらなんだかうれしくなってしまいます。
でも、多くの日本人は「私は下手だから…」と続けるでしょう。
しかし、海外の方は書いた文字の上手か下手かよりも、筆(筆ペン)というツールを使って日本語を表現したことに価値があると思っています。さらに、漢字の意味などにも関心があるので、その漢字の由来や書道用具の説明ができれば、自分自身に興味を示してもらえ、コミュニケーションのきっかけになるのです。
日本文化の中でも、身近で子供から大人まで手軽に学ぶことができ、大半の人が体験したことがあり、語ることができるのが書道なのです。
それから、日本文化で今、海外でものすごく人気なのが漫画です。前田さんは、漫画家の松井優征さんと少年ジャンプの「逃げ上手の若君」でコラボしています。世界で認められた日本の漫画を通して、書道の可能性を見い出しています。入り口が漫画からというのはこれから期待が大きく膨らみます。
書道の歴史と基本知識
書道が日本に伝来した経緯(「漢委奴国王」の金印など)や、書道に不可欠な「文房四宝」(筆・墨・紙・硯)といった基本的な道具の知識、そして「楷書」「行書」「草書」「隷書」「篆書」といった漢字の五書体についても解説されています。
「文房四宝」は、私も別の記事で書きましたので、よろしければ【文房四宝って何?】をご覧ください。
巻末には、文房四宝の聖地を巡る旅の紹介がされていて、とても興味深かったです。筆墨紙硯の産地は全国に点在していることを初めて知りました。
私は、生の墨を自分の手で握って、自分の手形が付いた世界で一つだけの墨が作れる「にぎり墨」体験ができる奈良県の錦光園に行ってみたいと思いました。
さてさて、「楷書」から「篆書」の中で、一番初めにできたのはどれでしょうか?はたまた、最後にできたのはどれでしょうか?これは、がくぶんの実用賞状書士養成講座のテキストにも書いてあって、私は驚いたのですが、前田さんも驚いたそうなので、皆さんも驚いてください。
それから、書の神様「王羲之」のことは欠かせません。一番有名な作品の「蘭亭序」を書いたのが49歳の時でした。なんと今(執筆時)の私と同じ歳。と前田さんがおしゃっていますが、この私も49歳です。
前田さんはこの本が私の蘭亭序だと、ならば私も何か作品をしたためなければと思った次第です。汗
精神性との結びつき
書道は精神性と深く結びついており、筆を執る時間は心を落ち着かせ、自分と向き合うための貴重な時間であるという側面が強調されています。
例えば、写経は奈良時代に大ブレイクして令和の現代でも人気があります。慌ただしい日常からほんの少し心を整える時間を持ってみてはどうかと、ストレスの軽減や認知症の予防効果など様々な効用があるので、ぜひと勧めています。仕事の前に毎朝写経を行う経営者の方もいるそうです。
私は写経に興味はもちろんありますが、長らく二の足を踏んでいます。なぜならば、私はお香が苦手で気持ちが悪くなってしまうからです。お香で体を清め、袈裟をかけ墨を磨るとあるのですが、やっぱりお寺の写経場に行ってやった方がいいのでしょうか。
自己表現とアイデンティティの発信
読者に対して「明日から筆を執り、自分の念いを世界に発信しよう」と呼びかけ、書道を通じて自己のアイデンティティを確立し、世界に向けて表現することを勧めています。
書道は字が上手に書けることだけがゴールではない、ただお手本をまねして、練習を重ね、上手く書けなかったら朱で修正され、昇段試験に提出して昇級・昇段して、展覧会に出品して賞を取る道だけがゴールではない
書道が日本文化を紹介する最高のツールとなり、海外の方だけでなく、未来を担う次世代に語り伝えることができるようになってほしい
そして、私たちの日常が豊かになればとの念いが込められた本です。
自分の名前を格好良く書きたいビジネスパーソンが多い。理由は、格好良く見られたいから。
自分の名前をどう書き表すかは、自己表現=セルフブランディングだ。書道を通じてできるセルフブランディングとは?
なぜ今、書道が注目されるのか
第3章「訪日外国人が体験したい日本の文化「書道」」と題して、インバウンドの需要が増えていき、特に昨今では日本の伝統文化を体験したいという「モノ消費」から「コト消費」へのシフトが加速している。具体的には、日本食や着物の着付け体験、温泉の入浴とあります。書道の体験も増えているそうです。
また、2025年11月9日(日)の読売新聞の社説に「人間国宝拡大」という記事がありました。
一部抜粋:人間国宝の対象が拡大され、料理人や日本酒造りの職人からも選ばれる見通しになった。…略…和食や日本酒は、海外でも人気が高まっている。日本を訪れる外国人観光客には、華道や書道の体験も人気だ。これらは世界に誇れる生活文化と言えるだろう。
このように今、書道は大変注目されています。
書は七難隠す
手書きすることが減っている、AIも出てきた今、字がきれいに書けても七難隠せない⁉
待って!そんな世の中だからこそです!DXじゃなくてAX(アナログトランスフォーメーション)あ・え・て文字を書くというアナログな行為が貴重になります。隠すことから自己表現へシフトしよう。
ただし、またここで、達筆を目的としないでください。自分らしさを表現することが大切なのです。想像してみてください。あなたからのすごーく綺麗で完璧なお手紙をいいただいた相手のことを…
直筆で返事書くの嫌だなってなります。
だから、あなたらしさを表現して返事を書きやすくして差し上げましょう。そのためには、基本を知ってからのアレンジになりますが、書道いいかもと思ったら、今すぐに書道を始めましょう。
この他にも、御朱印と御陵印や花押のこと、筆ペンはありか?とかどうやったら上手くなるかなどとてもおもしろかったです。書道に興味がある人なら、それは知っているよっていうもあれば、へぇーそうなんだ!というのもあると思うので、ぜひ、読んでみてください!ありがとうございました。

